不動産売却する前に、家族信託という手段【財産管理の方法】

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家族信託という手段【財産管理の方法】

不動産売却する前に、家族信託という手段【財産管理の方法】

2022/07/16

高齢になると、体力の衰えを感じる方が多く、判断できることや行動できることが限られてきます。

そのため、事前に財産管理や不動産の売却を考える方が多くいらっしゃいます。

弊社に、不動産の売却をご相談頂く方の中で、お客様のお話を聞いていくと、売却よりも家族に財産管理をまかせる方が良いケースもございます。

家族信託は「信頼できる家族に自分の財産を託して、財産の管理運用を任せる」という方法です。

今回は、家族信託の仕組みや注意点についてご紹介していきます。

家族信託とは

家族信託とは、簡単に言うと「自分の財産管理をできなくなってしまった時に備え、家族に自分の財産の管理や処分をできる権限を与えておく方法」のことをいいます。

信託銀行ではなく、信頼できる家族に託すのが家族信託の特徴です。現在の家族信託は平成19年にできたばかりなので認知度はまだまだ低いですが、徐々に世の中に認知されはじめています。

家族信託は、報酬が発生する投資信託と違い、財産管理のための報酬が発生しない家族間での利用を想定されているということが特徴となります。

家族信託の一般的な仕組み

家族信託の一般的な仕組みについて解説していきます。

家族信託では委託者、受託者、受益者の3者が当事者となります。

財産の所有者である委託者が遺言や信託契約によって受託者に財産の管理処分の権限を与え、最終的に受益者が財産からの収益を受け取れるようにする形が一般的です。

委託者自身が受益者となることも問題ありません(実際にはこの形が多いです)。

家族信託のメリット

①本人の体の状態や判断能力に影響されずに財産の管理ができます。

 本人が年老いて判断能力が低下しても、自宅を売却できるなど財産管理上のメリットがあります。

 

②成年後見制度よりも柔軟に財産管理が出来る

 判断能力が低下した場合、財産を管理してもらう方法の中で有名なものは成年後見制度ですが、成年後見制度は相続税対策や資産の組み替えなどは原則として不可能で柔軟性にかけます。その点、家族信託は柔軟に対処が可能です。

 

③遺言の代用にも追加で利用が出来る

 家族信託は、遺言として使うことも出来ます。

 家族信託の契約書の中で、本人が亡くなった後に財産を引き継ぐ人を指定することができますし、本人が亡くなった後も信託を続け、残された家族のために財産管理をするということも可能です。

 家族信託の契約書の中にには、本人が亡くなった後、残された家族のための財産管理をする人を指定することが可能です。残された家族が認知症になってしまっても対応ができます。

 

④資産承継の順位を決めることができる

資産承継の順位は、家族信託契約書作成時に本人が決めることができます。

例えば、第一順位の資産承継者が、認知症になってしまった場合でも、その人の代わりに第二順位の資産承継者を決めることが可能です。

自分が引き継がせたい人の順番をあらかじめ決めておくことができるので、遺産分割協議でトラブルが起こることを予防できます。

 

⑤教育資金の一括贈与にも使える。

孫の教育資金の一括贈与は1,500万円まで非課税です。信託銀行などでは一括贈与に対応した金融商品を販売しています。

しかし信託銀行では手数料がかかりますが、家族信託の場合は手数料がかからず、なおかつ孫は好きなタイミングで資金を使えます。

 

⑥倒産隔離にも対応

信託という契約の仕組みの特徴ですが、信託財産は受託者の名義になるので委託者(本人)が倒産しても影響を受けません。

将来もし差し押さえられそうになった場合にも備えることが可能です。

家族信託のデメリット

①受託者を誰にするかでもめてしまうケース

家族信託の受託者は、親族内の信頼できる人とに任せるケースが一般的です。

本人が指名することには全く問題はありませんが、実際には誰が受託者として選ばれるかという場面で親族の仲が悪くなってしまう可能性があります。

家族信託では、本人の不動産の名義が受託者名義になるなど、本人名義ではなく受託者名義になる場面が多々あります。

受託者に選ばれなかった人としては、自分をのけ者にされているように感じ、面白く思わないかもしれません。

家族信託を活用する際には、受託者として選ばれない人にも十分な理解や、配慮を求める必要があります。

身近な人間同士だからこそ、細心注意が必要です。

 

②名義が受託者になることへの抵抗感

家族信託は、不動産などの名義が受託者になるので、本人の意思がはっきりしないときでも、家族信託契約に基づいて売却などの手続きをすることができます。

しかし、名義が変わることへの抵抗感を持つ人もいらっしゃいます。

通常の相続であれば、本人が亡くなるまで不動産は本人のものであって、亡くなった後に名義を変更します。

生前贈与であれば、本人が亡くなる前に贈与という形で財産をあげたい人にあげて、名義変更をします。

家族信託の場合は、本人の財産管理の一環として受託者名義で財産を管理します。

人によっては、感覚的に、財産を取り上げられたような気分になってしまう方もいるのではないでしょうか。

メリットでご紹介したように、確かに便利で良いところもある仕組みなのですが、感覚として受け入れられないという人もいるかもしれません。

家族信託は、2007年に施行された比較的新しい制度です。制度に対する十分な理解が重要になります。

 

③成年後見制度の「身上監護」機能がない

聞き慣れない言葉かもしれませんが、「身上監護」とは、病院への入院や入所手続きなどのことを指します。

家族信託は、財産管理が主の契約です。

もちろん、身上監護の内容を契約書に含めておくことはできるのですが、成年後見人として入院、入所手続きをすることはできません。

同居の家族であれば、入院、入所の手続きをすることが可能な場面も多いでしょう。

そのため、家族が受託者の場合、身上監護権がないことで困る場面というのは限られると考えられます。

 

④遺言が不要になるわけではない

家族信託は、遺言のような機能を持っていますが、遺言書そのものではありません。

家族信託契約書に書かれていない財産については、遺言書で承継先を決めておく必要があります。

決めなかった場合、遺産分割協議を行うことになります。

遺産分割協議になってしまった場合、引き継がせたい人に遺産が渡らなくなってしまう可能性があります。

 

⑤節税効果は少ない

家族信託では、委託者には税金をかけられない一方で、受益者には税金がかかります。

生前に委託者が受益者として設定されていれば特に相続税以外の税金はかかりませんが、委託者が受益者ではない場合については税金がかかります。

受益者が第三者であれば贈与税、受益権が相続によって相続人に移転すれば相続税がかかります。

節税対策として家族信託を活用する動きもあるのですが、基本的に家族信託では大きな節税効果をあげることはできません。

節税することが第一目的であれば、遺言書など他の手段を使ったほうが効果が大きくなるということがあります。

 

⑥遺留分侵害請求の対象になるかどうかは意見が分かれている

家族信託契約は、遺言書と似たような効果を持たせることができますが、家族信託契約で遺留分を侵害するような財産の分け方をした場合、遺留分侵害請求の対象になってしまうかもしれません。

現時点では、遺留分侵害請求の対象になるかならないかで専門家の間でも意見が分かれている状態です。

例えば、夫が受益者、夫の死亡した後の第二受益者を妻、妻が死亡した後の第三受益者を次男とするとします。

この家族には、長男、長女などの他の相続人もいるとしましょう。

夫の死亡後に受益権は家族信託契約によって、妻、次男の順に移転して行くのですが、他の相続人からすれば、自分たちには受益権がこないので遺留分を侵害していると主張したくなるかもしれません。

実際は、遺留分侵害とは、遺言や遺産分割協議で遺留分を侵害するような財産の分け方をすることを言います。

信託は遺言でも、遺産分割協議でもありませんので、遺留分侵害にあたるのかどうかという点が議論になっているというわけです。

今後、家族信託が増えるにつれて裁判例も増えて行くと思われます。

これから家族信託を利用したいという人は、今後の判決に注意しておいたほうが良いでしょう。

家族信託の対応方法

家族信託に関する内容を頂きましたが、いかがでしたでしょうか?

信託と聞くと聞き慣れず、内容を理解することが難しかったり、本人を取り巻く状況が人によって異なるため、悩まれていらっしゃる方が多くいらっしゃいます。

家族信託は、まだまだ歴史の浅い制度です。悩んでしまい抜け出せなくなる前にお気軽にご相談ください。

不動産だけに目を向けず、総合的に対応が可能な会社に相談することにより、悩みをより効率的に解決することができます。

家族信託の無料相談

アセットアップでは、家族信託のご相談も承っております。

家族信託の制度は、まだまだ新しい制度であり弁護士や司法書士に依頼すると高額になってしまうケースがあります。

最適な対応方法を行える家族信託の専門家と提携している弊社にご相談を頂くことで、質の高い家族信託を安価に対応することができます。

まずは、お気軽にお問い合わせください。

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