【法的瑕疵物件とは?】不動産売却で注意するべき3つの法律
2022/03/19
瑕疵物件を大きくわけると、心理的瑕疵、物理的瑕疵、環境的瑕疵、法律的瑕疵の4つにわかれます。
今回は、法律的瑕疵について取り上げます。
法的瑕疵物件”とは、法令等によって自由な利用が阻害されていたり、法令に違反していたりする物件を指します。
主に、「建築基準法」「都市計画法」「消防法」の3つの何かしらの規制がかかってしまい、違法な物件となってしまします。
それでは、それぞれの法律について見ていきましょう。
建築基準法
建築基準法は、私たちが安全で快適に生活できるよう、建物や土地に対して定められた法律です。
建築物や建築物の敷地、設備、構造、用途が対象となり、その土地にどのような用途・規模の建物が建築できるのか、建てられる住宅の床面積や建築面積の上限は何㎡なのかといった、細かいルールが定められています。
また、建築基準法を施行するためのさらに細かいルールとして、“建築基準法施行令”があります。
建築基準法上の制限を受けていたり、この法律によって違法なものとなっていたりする法律的瑕疵物件には、以下のようなものが挙げられます。
・接道義務を満たしていない
・構造上の安全基準が遵守されていない
・建蔽率違反に該当している
・容積率違反に該当している など
都市計画法
都市計画法とは、計画的な市街地開発、施設設備(道路、公園、上下水道など)の基本的なあり方を定めた法律です。
誰もが好き勝手に建物や道路をつくってしまうと、機能的な街づくりができなくなり、街全体としてのバランスもとれなくなります。
そうならないために、都市計画法では日本の国土をエリア分けし、対象となる不動産がどのエリアなのかによって、異なる土地の利用規制を定めています。
[都市計画法で定められているエリア]
・都市計画地域
・準都市計画区域
・市街化区域
・市街化調整区域
・用途地域
[都市計画法による制限物件に該当するもの]
・建築制限が生じる計画道路指定を受けている
・原則開発行為が認められない市街化調整区域内にある物件
用途地域にある物件も、取引のケースによっては法的瑕疵物件になる可能性があります。
用途地域は、住居や商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、“第一種低層住居専用地域”など13種類に分かれています。
用途地域ごとに建蔽率や容積率の制限があり、建てられる建物の種類も定められています。
消防法
消防法とは。人の命や財産を守るため、火災の予防、火災発生時の被害抑制などについて定めた法律です。
一般住宅に関することでは、マンションや一戸建てなど寝室を有する建物に対し、必要な設備の設置義務などが規定されています。
[消防法による制限物件]
・設置義務のある防災設備が設置されていない
・設置されている防災設備が古い
・設置されている防災設備が機能していない など
消防法で定められた建物には防災設備として設置が必要なものがります。
[防災設備]
・火災報知器
・誘導灯、誘導標識
・スプリンクラー
・ガス漏れ警報器
・避難はしご
・排煙設備 など
もし、所有している物件が最新の規制に反したもので、上記の設備を備えていなかったり、故障・老朽化していたりする場合、所有者は物件を適法状態にするため、想定外の支出を強いられることになるため、注意する必要があります。
法的瑕疵物件を確認するポイント
法的瑕疵物件を把握せずにに売却をしてしまうと、トラブルに発展してしまうケースがあります。
確認が必要な場合には、市区町村の都市計画課または建築指導課に足を運び、物件に係る法令を自らの目で確認する必要があります。
内容によっては、ネットや電話で確認できるものもあります。
各自治体が作成している“都市計画図”を閲覧すれば、対象物件とその周辺地域における用途地域の指定、都市計画道路の有無が確認できます。
ちなみに、“都市計画道路予定地”に指定されている場合、道路計画が予定の段階のうちは、一定の建築制限のもと、都道府県知事の認可を受けて住宅を建築することが可能です。
ただ、将来的には建物を取り壊さなければいけない可能性が高いのでしっかりと確認が必要です。
ここまで、法律的瑕疵に関する3つの法律について取り上げさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
立地やアクセス環境、周辺施設など、不動産の良し悪しを判断するポイントはたくさんありますが、実際に売却をする際には、法的瑕疵の有無によって売買金額が変わってきます。
そのため、まずは所有している物件を確認する必要があります。
しかし、一般の人が瑕疵を確認することは、難しいケースがほとんどです。そのため瑕疵物件に強い会社に相談することで、売却時のトラブルを防ぐことができます。
再建築不可物件を所有し続ける5つのリスクをあげさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
再建築不可物件を所有し続けると、生活や活用、売却といった様々な場面で問題が発生する可能性があります。
当然、一般的な不動産においても言えることですが、再建築不可物件は特にそのリスクが高いため、活用の予定がない場合は、早め対応を検討することをお勧め致します。
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