【建築基準法上の道路】 接道義務とは? 道路と再建築不可の関係
2022/07/02
建築基準法上の道路は、以下の道路などが該当すると、建築基準法第42条に規定されています。
1. 道路法による道路
一般国道、都道府県道及び市町村道などのいわゆる公道で、幅員4m以上のもの
2. 都市計画法などによる道路
都市計画法の開発許可あるいは、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律その他による許認可等を受けて築造された道路で、幅員4m以上のもの
3. 接道義務の規定ができた時に存在していた道路
公道であるか私道であるかに関わらず一般に通行されている幅員4m以上のもの
4. 位置指定道路
土地を建築物の敷地として利用するために築造する幅員4m以上の道で、これを築造しようとする者が、特定行政庁からその位置の指定を受けたもの
5. 2項道路(みなし道路)
接道義務の規定ができた時に、既に建築物が建ち並んでいる幅員4m未満の道で、特定行政庁が指定した道。
6. その他
その他にも、周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる場合などは、幅員が4m未満でも道路とみなされる場合があります。
建築基準法の道路ごとに解説
法42条1項1号道路
道路法の道路(国道、都道及び市町村道)で、幅員4m以上のものです。
法42条1項2号道路
都市計画法、土地区画整理法、旧住宅地造成事業に関する法律などに基づき許認可等を受けて築造した道路で、幅員4m以上のものです。工事完了後に市町村に移管され道路法の道路となる場合が多く、その場合には法第42条1項1号の道路にも該当します。
法42条1項3号道路
「基準時(建築基準法が施行された昭和25年11月23日と当該市町村が都市計画区域に指定された時点とのいずれか遅い時点)」に既に幅員4m以上の道として存在し、現在に至っているものです。
法42条1項4号道路
道路法、都市計画法その他の法律による新設又は変更の事業計画のある道路で、事業者の申請に基づき、2年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したものです。
法42条1項5号道路
いわゆる「位置指定道路」です。
土地の所有者が築造する幅員4m以上の道で、申請を受けて、特定行政庁がその位置の指定をしたものです。
法42条2項道路
「基準時(建築基準法が施行された昭和25年11月23日と当該市町村が都市計画区域に指定された時点とのいずれか遅い時点)」に存在する幅員4m未満の道で、既に建築物が建ち並んでおり、その他特定行政庁が定める基準を満たすものです。
この道路に面している敷地は、基準時の道の中心線から水平距離2mの線を道路の境界線とみなします。中心線から水平距離2m未満にがけや河川等が存在する場合は、これらの境界から水平距離4mの線を道路の境界線とみなします。
法43条1項ただし書きの適用を受けたことがある道
法42条に定める道路に該当しませんが、法43条第1項ただし書の適用を受けたことがある建築物の敷地が接する道です。
平成11年12月22日の法改正により、法43条第1項ただし書の適用を受ける場合は、特定行政庁の許可が必要になりました。法改正(平成11年12月22日)以前に法第43条第1項ただし書の適用を受けた道等であっても、道等の状況・建築計画の内容等により許可基準に適合しない場合は許可を受けられない場合があります。
建築基準法第43条第1項ただし書の取り扱い
法42条外
法上の道路として扱っていないもの若しくは未判定のものです。現状のままでは建築確認ができないものです。
接道義務とは
接道義務とは以下の規定のことをいいます。
1. 建物を建築する際、その土地の間口が建築基準法上の道路に2m以上接していなければならない
2. 建物が接している建築基準法上の道路の幅員が4m以上でなければならない
この接道義務には、防災や安全のために緊急車両の移動や出入りの確保をして、スムーズに消火活動や救助などが行えるようにする目的があります。接道義務は、万一の緊急時に、安心して住むことができるまちづくりをする上で、大切な規定であるといえます。
既存の建物については、この規定を満たしていない場合でも、直ちに罰則が科されるわけではありません。ただし既存の建物を取壊し、再建築することは不可とされています。
再建築不可物件とは?
再建築不可物件とは?
建築基準法上の接道義務を果たしていない土地に建つ建築物のことをいいます。
再建築不可物件は、リフォームすることは可能ですが、建築確認が必要となる新築や増築については行政の建築許可がおりないのです。
東京23区などの住宅が密集したエリアで、築年数の古い物件が数多く残っていたり、空き家となって放置されているのは、接道義務を果たせず再建築ができないからという理由も含まれています。
総務省の土地統計調査によると、全国における再建築不可物件とみられる物件数は全体の約6.7%もあると報告されています。
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