東京都で最も空き家率の少ない『町田市』の空き家事情を知る・具体的な空き家対策
2022/08/06
町田市の空き家の事情
東京都の最南端に位置する町田市は、人口43万人。
都内では東京23区、八王子市に次いで3番目に人口が多く、東京都のベッドタウンとしても知られています。新宿・渋谷・横浜といった都心にも行きやすい一方、緑豊かな自然に触れ合うこともでき、「都会と自然のバランスがちょうどいい」と、ファミリー層を中心に「住みたい街」として注目が集まっています。
そんな、素敵な魅力を持つ『町田市』の空き家数は約20,200戸で、東京都の市区町で16番目に多い空き家数となっております。
人口が11番目に多いということもありますので、空き家率でみると9.6%になります。東京都の市区町で12番目に少ない空き家率となっております。
平成25年には、空き家率が7.7%と東京都で最も空き家率が低い時期もありました。
■町田市内の区域別の空き家の件数等(新築物件を除く)
町田市の空家対策基本方針
町田市では、周辺の住環境に深刻な影響を及ぼす空家を発生させないよう、計画的に、「空家等の発生の予防」「所有者等による適切な管理」並びに「事業者による不動産流通の促進」及び「公共公益的な利活用」を促すために、2016年6月に空家対策基本方針として「町田市空家0ぜろ計画」を策定し、空家対策を進めてきました。
現在、町田市を取り巻く状況は、少子高齢化の進行や人口減少社会の到来、感染症を含めた災害リスクの増大、或いはウィズコロナ・アフターコロナ時代の価値観の多様化など、変化を続けています。都市環境においても、多摩都市モノレール町田方面延伸をはじめ、小田急多摩線延伸などの大規模交通を町田市に迎えることにより大きく変化していきます。
そのため今後20年を見据えた新たな都市の将来像や設計図を描き、分野の垣根を越えて施策を展開していくためのまちづくりの基本書となることを目指して「町田市都市づくりのマスタープラン」を策定し、空家対策基本方針もその中に統合しました。
【町田市空家対策基本方針】
①空家の発生予防(対象とする住宅: 全ての一戸建の住宅)
所有する建築物が、地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼす空家とならないよう、住宅を資産として活用する方法や、空家 の発生要因、適切な管理が行われないことにより生じる問題等を周知し、空家としないように備えることの必要性等の啓発を 進めます。また、まちづくりの視点から、地域と連携して、適切に管理されていない空家を発生させない環境づくりを進めます。
②空家の所有者等への適切な管理の周知(対象とする住宅: 全ての空家)
空家は個人の資産であるため、所有者に管理責任があり、適切に管理しなければならないことや将来的に所有者等が不在と ならないように、予め備えが必要であること等を広く市民に周知します。
③空家の利活用の促進(対象とする住宅: 一戸建の未活用空家)
空家は個人の資産であるため、所有者に管理責任があり、適切に管理しなければならないことや将来的に所有者等が不在と ならないように、予め備えが必要であること等を広く市民に周知します。
④空家対策に係る体制の整備(対象とする住宅: 全ての空家)
空家の所有者等、市、市民及び事業者が、相互に連携し、協力する体制を推進します。また、適切な管理が行われていない空家が、 地域住民の生活環境に深刻な影響を及ぼすことがないよう、必要な措置を適切に講じます。
⑤特定空家等に対する措置
特定空家等 に対する措置にあたっては、空家等対策特措法や『町田市空家等の発生の予防、適切な管理及び活用の促進に 関する条例の規定』に基づき、町田市特定空家等対策審議会に諮問します。答申を受けて、「指導又は助言」、「勧告」、「命令」、 「代執行」の措置を行います。
町田市が実施した空き家に対する略式代執行
東京都初の事例 平成29(2017年)1月
空家等対策特措法に基づく略式代執行が2015年に施行され、空家等対策の推進に関する特別措置法を契機に、町田市でも空家対策に取り組んでいます。
東京都初の略式代執行として、町田市の空き家対策が当時注目されました。
所有者が死亡後、相続人不在で改善見込みがなく、放置すると通行人や周辺住民に危害を及ぼすことが確実な空家がありました。近隣からも改善要望が市に入っており、この空家についてどのような措置を取るべきか特定空家等対策審議会に諮問し、現地 調査の結果、略式代執行より立木やトタン板などを撤去する措置を講ずべきとの答申を得ました。
この答申を受け、 空家特措法第14条第10項に基づく略式代執行により、町田市が空家所有者に代わって敷地内にある立木などを撤去 しました。
措置にかかる費用は当初町田市が支出しましたが、相続財産管理人が空家等を売却して得た代金から返還され、町田市は財政上の負担なくこの空家等に対する措置は完了し、通行人の安全を確保することができました。
町田市で活用出来る空き家対策とは
空き家に関する支援事業のご紹介
町田市では、空き家対策に活用出来る様々な取り組みを行っております。具体的に役立つ内容をご紹介していきます。
空き家に関する無料相談
空き家に関する支援事業のご紹介
空家に関する無料相談(市庁舎での専門家相談)
弁護士、司法書士、税理士、宅地建物取引士に空家に関する専門的な相談ができます。
空家に関する無料相談(町田市内へのアドバイザー派遣)
建築の専門家を空家アドバイザーとして派遣します。空家の維持、管理、活用、改修等について、空家がある現地での相談ができます。
詳細はこちら ⇒ 町田市の空き家に関する無料相談
木造住宅の簡易耐震診断(無料)
空き家に関する支援事業のご紹介
昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を得て建てられた木造住宅(旧耐震基準の住宅)に対して、無料の簡易耐震診断を行います。
町田市が指定する機関から派遣する「木造住宅耐震アドバイザー」(以下「アドバイザー」)が、対象の住宅を目視で簡易に耐震診断するとともに、助成を受けられる物件かどうか精査します。
簡易耐震診断は無料です。
診断の結果、耐震改修の必要性が高いと診断された方は、精密耐震診断を受診し耐震改修を進めてください。
近年では、旧耐震建築物が築40年を超え老朽化している場合も多く、改修して使い続けるのではなく、解体・除却するケースも増えています。
詳細はこちら ⇒ 町田市の簡易耐震診断
町田市ブロック塀等撤去事業助成金
空き家に関する支援事業のご紹介
町田市ブロック塀等撤去事業助成金について、市内の道路等に面する一定高さ以上のブロック塀等の撤去工事にかかる費用の一部を助成します。
地震により道路等に面するブロック塀などが倒壊した場合、歩行者に危険が及ぶだけでなく、避難や救助活動の妨げとなることも考えられます。この制度は、道路等に面する危険なブロック塀などの撤去を行う場合に、費用の一部を助成する制度です。
この助成は、既に契約しているブロック塀等撤去工事では利用できませんので、ご注意ください。
詳細はこちら ⇒ 町田市ブロック塀等撤去事業助成金
空家の発生を抑制するための特例措置(空家の譲渡所得の3000万円特別控除)
空き家に関する支援事業のご紹介
空家の発生を抑制するための特例措置(空家の譲渡所得の3000万円特別控除)
相続した空家について、一定の条件を満たして家屋又は取壊し後の土地を譲渡した場合に、必要書類を提出することで譲渡所得から3000万円を特別控除を受けることができる国土交通省の制度です。
相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、被相続人の居住の用に供していた家屋を相続した相続人が、当該家屋(耐震性のない場合は耐震リフォームをしたものに限り、その敷地を含む。)又は取壊し後の土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3千万円を特別控除するものです。
また、2019年4月1日以後の譲渡については、老人ホーム等に入居していた場合(一定要件を満たした場合に限ります。)も対象となります。
特例措置の適用期間は2023年(令和5年)12月31日までです。
詳細はこちら ⇒ 空家の発生を抑制するための特例措置
アライグマ・ハクビシン防除事業
空家の管理に役立つ可能性支援事業のご紹介
町田市では、外来生物であるアライグマ・ハクビシンの、生態系や生活環境への被害防止のため、駆除業者の派遣を行っています。
【受付の条件】
申込をする方(依頼者)が所有している町田市内の住宅の天井裏等、建物の内部に、アライグマ・ハクビシンが住み着いていることが条件となります。
(野外、屋根なしの建築物、居住者のいない寺社や店舗などは対象外です)
内部にいる動物が、アライグマ・ハクビシンの確証がなくても、音や、爪痕などでその可能性が高いと考えられる場合は申し込みが可能ですが、現地調査の結果、アライグマ・ハクビシンによる被害でないことが判明した場合は、調査で本事業は終了となります(調査までは無料です)。
わな設置後の毎日の見回りと、定期的なエサの交換、捕まった際の業者への連絡は、依頼者が行います。
同じ敷地内の建物についての申込は、年度内に1回までとなります。
この事業でのわな設置・捕獲・駆除にかかる費用は無料ですが、別途消毒や穴ふさぎ等の作業を業者に依頼される場合は、自己負担となります。
穴は、放置しておくと別の個体がまた入り込む恐れがあります。
【申込と捕獲の流れ】
町田市役所7階環境共生課へご相談の上、申込書を提出してください。(事前に電話相談した上で郵送提出も可)
申込書が市役所に到着後、町田市が本年度契約している業者(委託業者)に申込内容を連絡します。
委託業者が依頼者に日程調整の電話をします。
委託業者が現地調査に来ます。
調査の結果、自宅内にアライグマ・ハクビシンが侵入していることがわかりましたら、住宅内の屋根裏などに捕獲用のわなを仕掛けます。
(最長3週間、捕獲できない場合の延長はできません)
わなに動物がかかったら、依頼者が委託業者に電話をします。委託業者がわなと動物を回収に来ます。
詳細はこちら → 町田市アライグマ・ハクビシン防除事業
問題解決にむけて具体的な取り組み
町田市の空き家事情について、取り上げてまいりました。
様々な空き家対策の方法がございますが、いざご自身の物件のこととなると戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
賃貸用物件のお持ちの方は、目の前の空室を早急に対処するために、どのような対応がベストか迷われる方が大半です。
これだけ、空室の多いマンションやアパートの空き家を減らすには、普通に賃貸募集をしていても現状を変えることは難しいでしょう。
弊社では、様々な企画やアイディアをもとに空き家対策を行うノウハウを持っております。
まずは、お気軽にご相談下さい。
アパートやマンションなどの賃貸用住宅はもちろんのこと、居住中の戸建ても対応致します。
物件売却、賃貸募集、賃貸管理まで幅広く対応させて頂きます。
弊社は、再建築不可、借地権、事件事故、老朽化、雨漏り、害獣被害、荷物整理や処分など多岐にわたり対応が可能です。
物件を修繕する費用が無く放置してしまっている方は、早急にご相談下さい。解決策を一緒に見つけることが出来ます。
空き家対策は、ひとりで悩んでいると解決に時間がかかってしまい、余計な出費やトラブルが発生してしまいます。
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