大田区の空き家対策を知る!空き家を社会に貢献するために【空き家相談】
2022/01/26
目次
大田区の空き家の現状
東京の空の玄関『羽田空港』のある大田区。
羽田空港の面積を含めると、61.86k㎡となり東京23区の面積では1位となります。
昭和22年に「大森区」と「蒲田区」が一緒になって誕生したのが大田区です。
その際、両方の区の一字ずつを取って大田区と命名されています。
大田区の空き家数は、48,450戸(平成30年度)となっており、東京23区で2番目に多い空き家数となっております。
大田区は住宅総数は約42.8万戸と、東京23区で2番目に住宅数が多いため、必然的に空き家数が多くなります。
空き家率で見ると、大田区は11.3%となり、東京23区で7番目の空き家率となっております。
全国の空き家率が13.6%、東京都の空き家率が10.6%となり、東京都では平均より高い空き家率となっております。
大田区の空き家対策
大田区は、早くから空き家に対して力を入れています。独自の空家対策計画を打ち出し実行しています。
大田区の空家等対策計画の基本的な方針
(1)空家等の所有者等及び区民からの相談体制を充実します。
(2)空家等の所有者等に対して、助言・啓発や必要な支援を行い、適切な維持 管理と有効活用を促します。
(3)空家等の公益的な有効活用を図るとともに空家等の発生又は増加の予防 に資する施策を推進します。
大田区の空き家対策の歴史
平成 25 年4月「大田区空き家の適正管理に関する条例」を施行
平成 27 年5月「大田区空家等対策審議会」を設置
平成28年 7月「大田区空家等対策計画」を策定
令和3年5月「大田区空家等対策計画」を改定
他区に先駆けて着手した行政代執行
行政代執行 平成26年(2014年)5月
平成27年5月に空き家特別措置法が施行されたことにより、放置され続けている空き家に対して、行政(市区町村)が強制的に解体を行える、行政代執行が命令できるようになりました。
当然、行政執行前に、行政から空き家対策の指摘やアドバイスがありますが、対応を行わない場合に注意や勧告、指導などが入ります。
その結果、改善が行われない場合、行政執行となります。
この行政代執行ですが、行政が自ら解体や撤去を行い、その費用は所有者へ強制的に請求、徴収をされることになります。
大田区では、空き家特別措置法施工前に先駆けて行政代執行を実施しており、都内で初の事例として各区へアドバイスを大田区は行っております。
《具体的な事例 平成26年5月》
老朽化が進んで屋根が落ちるなど荒れたままになった空き家アパートは平成18年頃からは、近隣から苦情が寄せられていました。
近隣住民は10年前から数回にわたり署名を集めるなど、空き家アパートの処分を大田区に求めていましたが、「私有地だから手が出せない」と門前払いの状態だったそうです。
その後、平成25年4月に「大田区空き家の適正管理に関する条例」が施行され、大田区は所有者に対し条例に基づき改善を求めました。
平成26年4月までに解体するよう通告しましたが、所有者が応じなかったために行政代執行を実施しています。
大田区で空家対策に活用できる政策
大田区では空家対策に活用できる様々な政策や助成金等がありますので、ご紹介をしていきます。
住宅リフォーム助成事業
空き家対策に活用出来る政策①
大田区での空き家対策には、有効な制度が豊富に揃っております。
この政策は、空き家以外の居住中の住宅にも適用されます。
大田区内に主たる事業所(本社) がある対象事業者に指定のリフォーム工事を発注する場合、工事費用の一部が助成されます。
①バリアフリー化
(手すり設置、浴谷室 更衣室暖房工事、 段差解消、開き戸から引き戸への改修、階段昇降機設置 等)
②環境への配慮
(節水型トイレへの改修、高断熱浴槽への改修、エコジョーズ給湯器への交換、 断熱窓への改修 等)
③防犯·防災対策
(軽量化屋根への改修、 耐震化工事、 防犯性の高いインターホンへの交換、 面格子の設置 等)
④住まいの長寿命化
(屋根·外壁塗装、洗面台キッチン改修に伴う給排水等の工事、 雨樋の改修、 屋根の改修 等)
⑤吹付アスベスト除去工事
⑥コロナ禍における新しい生活様式への対応工事
(在宅勤務スペースの改修、 固定式宅配ポックスの設置、 インターホンの新設 等)
木造住宅除却工事助成事業(耐震化助成事業)
空き家対策に活用できる政策②
地震による建物の倒壊を防止するため、耐震診断や耐震改修工事、除却工事 の費用の一部を助成しています。
・木造住宅耐震コンサルタント派遣制度(簡易診断)
木造住宅の耐震化について専門家に相談したい方に対して、建築士を派遣しています。ご自宅の簡易診断を行い、耐震化に関する相談をお受けします。
・木造住宅除却工事(費用の一部を助成)
簡易診断の結果、安全性が確認されないと判断された場合、助成金の対象となります。
区内中小企業者の工事に要する費用の2/375万円を助成(区内中小企業者以外の工事の場合1/250万円を助成)
参考:木造住宅除却工事助成制度を活用して建替えする場合、金利引下げが適用となる「フラット35」地域連携型が利用できる場合があります。
木造建築物 耐震化助成事業のご案内(パンフレット)
空家総合相談窓口・空家総合相談会
空き家対策に活用できる政策③
空家総合相談の対応内容
・空家のリフォーム・解体等、建築全般に関すること
・空家の利活用、既存住宅の建物調査に関すること
・空家の相続、紛争の解決に関すること
・空家の相続登記、成年後見、財産管理に関すること
・空家の敷地境界に関すること
・空家の売買や賃貸に関すること
・空家の樹木(草木)の管理に関すること
・空家の維持管理に関すること
・近隣の空家でお困りのこと
・その他空家に関してお困りのこと
空家総合相談会の開催日
毎月第2木曜日(1組30分程度)に開催
不燃化特区制度を活用した不燃化まちづくり助成事業
空き家対策に活用できる政策④
こちらの制度は、地域が限定されますが、対象となれば効果的に活用できる内容です。
不燃化特区制度とは?
震災時に大きな被害が想定される木造住宅密集地域(以下「木密地域」)の改善を加速するため、東京都は「木密地域不燃化10年プロジェクト」不燃化特区制度を創設しました。
大田区は、平成25年4月26日に大森中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)、平成27年4月1日に羽田二・三・六丁目地区、特定整備路線の補助29号線沿道地区でそれぞれ不燃化特区の指定を受け、制度を活用した取組みを、整備プログラムを基に「不燃化まちづくり助成事業」として行っていきます。
東京都が不燃化特区制度を延長したことに伴い、大田区でも対象地区の助成事業の期限を令和7年度末まで延長しています。
対象エリア
・大森中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)
・羽田二・三・六丁目地区
・補助29号線沿道地区(東馬込2丁目の一部エリア)
制度の内容
①戸建て等建替え促進助成
戸建ての建替え工事を行う建築主に対し、建築設計・監理費及び除却費の一部を助成します。耐用年数の3分の2を経過した建築物を自己所有していることなどが助成要件となります。2世帯住宅も対象となります。
助成額は、建築設計・監理費及び除却費を併せて、耐火建築物の場合最大200万円、準耐火建築物の場合最大150万円です。
更に、設計・監理を中小企業者が行う場合は、上記の金額に50万円まで増額します。
対象は大森中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)及び羽田二・三・六丁目地区です。
(注釈1)共同住宅(賃貸住宅)への建替え助成は、令和4年3月に終了しました。
②複数所有者共同建替え助成
羽田二・三・六丁目地区において、複数の建築物所有者が共同して、一つの建築物(共同住宅)に建替える場合、除却費及び建築設計・監理費、共同施設整備費の一部を助成します。
助成額は、2棟を除却し共同化する場合の例で、耐火建築物では最大1,050万円、準耐火建築物では最大950万円です。対象は羽田二・三・六丁目地区です。
③老朽建築物除却助成
老朽木造建築物を除却する場合、要する費用の一部を助成します。老朽木造建築物除却助成の対象となる建築物は別途お問合せください。
助成額は、最大100万円です。
(注釈)羽田二・三・六丁目地区で無接道建築物を除却する場合、最大150万円。
対象は大森中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)及び羽田二・三・六丁目地区です。
④特定整備路線老朽建築物除却助成
特定整備路線の補助29号線沿道地区において老朽木造建築物を除却する場合、要する費用の一部を助成します。老朽木造建築物除却助成の対象となる建築物は別途お問合せください。
助成額は区が定める除却単価に助成上限床面積500平方メートルを乗じた額が最大です。
⑤専門家派遣支援
敷地が道路に接していないなど、建替えに課題のある地権者の方等に対し、区が専門家(建築士、弁護士、税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士など)を派遣し、建替えの実現を支援します。
⑥不燃化特区支援税制(東京都)
不燃化特区内での建替えや老朽住宅を除却して適正に管理する場合、東京都が固定資産税及び都市計画税を5年間減免します。
大森中地区(西糀谷・東蒲田・大森中)不燃化助成事業のご案内(パンフレット)
問題解決にむけた具体的な取り組み
大田区の空き家事情について、取り上げてまいりました。
様々な空き家対策の方法がございますが、いざご自身の物件のこととなると戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
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